手をついて転び骨折する場合、手のつき方によっていろいろな骨折を起こす事があります。今回はその一つの舟状骨骨折についてお話しましょう。
手首には手根骨といって小さい骨が8個あります。舟状骨はそのうちの一つですが、手の平から手をついて転んだ時に舟状骨骨折が起こります。
症状は親指の付け根の痛み、押しての痛みがあり、痛みのために握力が極端に弱くなります。診断は普通のレントゲン検査ではわからない事があり、見落とされる事があります。角度を工夫して撮ったりしますが、MRI検査が最も有効です。
治療はずれていない場合はギプスによる固定で大丈夫ですが、くっつきにくい骨なので固定期間は長く8週間くらいは必要です。大きくずれている場合は骨をスクリューでとめる手術が必要になります。
ケガをした時に病院に行かなかったため、くっつかないまま経過してしまう事があります。これを偽関節といい、この場合も手術をしなければ治りません。しかも偽関節の手術はスクリューでとめるだけでは骨はつかないため、腰等から骨を移植する必要があります。
ギプスであれば走ったりボールを蹴ったりするのは構いませんが、転倒等に注意して下さい。 |