陸上の短距離走でモモ裏の肉離れをしました。どうしたらいいでしょうか?
(中学2年女子)

ハムストリング肉離れ

モモ裏の筋肉はハムストリングといいます。今回はハムストリング肉離れについてお話ししましょう。肉離れは全身のどこの筋肉にも起こる可能性はありますが、頻度的に多いのはハムストリング、大腿四頭筋(前モモ)、腓腹筋(ふくらはぎ)と上腕二頭筋(力こぶの筋肉)があります。
 肉離れは筋肉の断裂で、その筋肉が収縮して縮もうとしている時に伸ばされると起こります。わかりやすく説明しますと、腕相撲で負けている時の状態です。勝っている時筋肉は収縮して縮んでいきますが、負けている時は収縮しようとがんばっていますが筋肉自体は伸ばされています。専門用語では伸展性筋収縮と言います。

レントゲン画像症状は痛み、圧痛(押しての痛み)、ストレッチ痛、筋肉に抵抗をかけた時の痛みや皮下出血があります。軽いものから重いものまでありますが、重いものはレントゲンでも筋肉の断裂が確認出来ます。
 治療は痛みを取るためにアイシングや低周波を行ったり、湿布や痛みが強い場合は飲み薬を使います。軽症ならこの様な治療だけで数日から1週間で復帰出来ます。中程度ならその後に運動療法を開始し、ケガ後3週で復帰出来ます。重症ですと手術が必要な事もありますし運動療法をしてもかなり時間はかかります。復帰まで2カ月かかることもあります。
 肉離れで注意しなければいけない事が2つあります。一つは絶対にマッサージをしない事です。マッサージをすると筋肉の断裂をさらに広げることになります。もう一つは完全に治ってから復帰する事です。g痛くないから試しにやってみようfというのは再発する可能性が高いので危険です。何度も繰り返す、クセになっているというのは間違いで、正しくはg治り切っていないのに運動してしまい再発したfという事です。肉離れといっても軽く考えない方が良いと思います。