野球のピッチャーをしていますが、以前に投球制限の話を聞いた事があります、くわしく教えて下さい。(中2男子)

野球の投球制限

日本で推奨している投球制限はアメリカのものです。人の身体は運動で壊れた組織を修復する能力を持っています。しかし毎日練習をするとその修復が追い付きません。そのために投球制限ができました。特に日本の野球は朝から晩まで練習、練習。マンガで見るスポーツ根性を出してがんばれ、というのは間違った考え方です。投球制限はプロ野球選手を夢見る子供達をスポーツ障害から救うものと私は考えてます。
・小学生 1日に50球以内で1週間では200球以内、練習は週3日以内で2時間以内。
・中学生 1日に70球以内で1週間では350球以内、練習は週6日以内で2時間以内。
・高校生 1日に100球以内で1週間では500球以内、練習は週6日以内で2時間以内。
というのが日本体育協会が勧めている投球制限です。
 試合では
・9〜12歳/1週間で6イニングス以内
・13〜15歳/1週間で9イニングス以内で1日80球以内
となっています。

image私は子供と大人は全く違う動物と考えています。
ですから「お父さんはこの歳でこの前100球以上投げたんだからお前はもっと投げられるんだ」なんて言うのは通じません。
指導者は試合に対して2人以上のピッチャーとキャッチャーを確保する事が必要です。
もちろん肩や肘に痛みがあったらノースローは必要です。痛みは身体が発する警告です。この警告を無視して投げ続けると故障という大きな代償を払う事になるでしょう。
 

日本では低年齢の頃から結果だけにこだわり投手は酷使され優秀な人材が壊れてつぶれています。アメリカは投球制限をきちんと守っていて、大リーガーの育成を最終目標にしています。
「努力」や「根性」といってやるのは大きな間違いですし、指導者は経験主義だけではだめだと思います。ですから規定投球数に達したら自己申告で降板する勇気があれば、将来の大きな夢に一歩近づく事になるでしょう。