サッカーをやっているのですが、走ったり飛んだりすると膝の前が痛いのですが、どうしたらいいのでしょうか?(中学2年男子)

オスグット病(成長痛)

おそらくオスグット・シュラッター病でしょう。成長期に起こる代表的なスポーツ障害の1つです。昔から一般的に「成長痛」と言われているもので、読者の中にも経験された事がある方も多いでしょう。今回はこのオスグット病について詳しくお話しましょう。
 使い過ぎ症候群の1つで、骨の成長の盛んな10代前半のスポーツを盛んに行う少年に多発します。男子は14歳、女子は13歳での発症が平均的です。
 症状は膝下の腫れ、痛み、押して痛いなどで、特にダッシュ、キック、ジャンプの運動中の痛みがあります。ストレッチや抵抗をかけた時にも痛みが出ます。

レントゲン画像レントゲン検査で不規則な脛骨結節(膝の下)の骨化や遊離した骨が見られます。
 治療は症状の程度によって違います。全て「スポーツ禁止」という訳ではありません。軽いものは、ストレッチとアイシングでプレーは可能です。中程度のものは、スポーツを禁止しストレッチ、湿布等が必要です。オスグット用のバンドを付けてプレーが可能な場合もあります。重いものは、やはりスポーツは禁止でストレッチもあまり無理にはやらない方がいいでしょう。飲み薬が必要な場合もあります。
 手術方法は時代とともに変わっています。昔は骨に小さい穴をあけるドリリングを行っていましたが、効果がないため今は行いません。今は成長が止まり骨が遊離している場合で、痛みによりスポーツ活動に支障があれば骨を取り出す手術を行います。
 最近は子供のスポーツ障害が非常に多くなっています。これは練習量の多さ、固いグラウンドでの低年齢でのスパイク使用などが原因として考えられます。ブラジルではサッカーのスパイクは高校生になるまで履かないとサンパイオ選手が言っていました。プロ選手が使っているものは確かにいいものです。しかしそれが子供にとっていいものとは限りません。道具ばかりが先走る傾向が強いのが心配です。