クラシックバレエをやっていますが、外反母趾があり痛みが強く時々休んでしまいます。外反母趾について教えて下さい。(中2、女子)
外反母趾の診断の方法と治療法
外反母趾は一般整形外科ではよくあるものですが、スポーツ整形外科ではあまりいらっしゃいません。種目はクラシックバレエ、バドミントン、スキーにみられます。
日本は欧米に比べ比較的少ないのですが、生活様式の西洋化に伴って増加してきています。ただいくら外反母趾が増えたからと言っても、痛み等の日常生活に支障がなければ治療の必要はありません。スポーツ整形外科では扁平足に続いて起こることが多いです。
原因としては遺伝的なもの、靴や体重等の足にかかわるもの、慢性関節リウマチなどによるもの、があります。
診断は見た目ではなく、レントゲン検査で判断します。第1中足骨(母趾の甲の骨)と第2中足骨(2番目の甲の骨)の開き(M1M2角)が°9以上あると外反母趾と診断します。また第1中足骨と母趾が強く外反していたり、足の裏にある種子骨と言う腱に付いている骨が外側にずれていることもあります。またこのレントゲン検査の時に母趾の疲労骨折を見逃さないように注意が必要です。
症状は母趾の付け根の内側の痛みです。その他に母趾の爪が第2趾に当たるための痛みもあります。進行すると母趾が第2趾の下に入り込みオーバーラップします、こうなると靴をはく事がとても不便になります。若い女性で見た目の悪さを気にして来院される方もいらっしゃいます。
治療はまず靴を変える事です、先の広くてヒールのない靴にします。ただそれだけではなかなか治らないので、扁平足を矯正するアーチサポートのインソールを作り、趾の間に入れる装具を併用すると良いでしょう。また体重の重い方は減量をして足にかかる負担を減らした方が良いでしょう。リハビリでは痛みに対して低周波や赤外線をかけたり、運動療法で足先の筋トレやストレッチを行います。
きわめて高度の変形がある時は手術も行いますが、何と100種類以上もの手術方法があります。ベストな方法がないためにこんなに多くの方法があるのでしょう。私はこの中で患者さんにあったベターな方法を選び手術をしています。
一度外反してしまった趾は元には戻りません。治療の基本は痛みを取る事と進行を止める事が主になります。