シュートなどで強く踏み込むと足の指にしびれが出ます。詳しく教えてください。
(高2男子、サッカー部)
モートン病
モートン病とは、最初に報告した人物の名前からつけられた病名で、足趾(そくし)の知覚をつかさどる「指神経」が、深横中足靱帯(しんおうちゅうそくじんたい)という靱帯に圧迫されて発症します。
成人女性に多くみられ、第3趾と第4趾の間におこることが圧倒的に多いのが特徴で、扁平足や外反母趾に伴って発症することもあります。圧迫を受けたところよりも先の神経がコブのように膨らんでくることから、「モートン神経腫」ともいわれます。
症状は、足趾(とくに第3趾と第4趾の周辺)のしびれや痛みです。裸足でフローリングの上を歩くのはつらいと思います。触った感覚が鈍くもなります。歩行やランニング中に突然激痛が走ったり、ほかのゆびに痛みが広がることもあります。靴を脱いで圧迫がなくなると症状が軽くなり、前足部を左右から圧迫すると痛みがあります。足裏を触ると神経腫がわかる場合もあります。
治療は、消炎鎮痛剤やビタミンB12などののみ薬や外用薬、リハビリで低周波治療などを行います。ステロイド剤の局所への注射も効果があります。ただそれよりも、普段の足に対するケアが重要です。
靴は、先細できついものは長時間履かないことが肝心です。さらに、足のアーチを保てるものを選ぶこと。もしくはインソール(パッドの付いた中敷)を作り、それを常に装用することが大事です。当院では足型をとって、その人に合ったフルオーダーメードのインソールを作成しています。
それでも治らない場合、最終的には手術が必要です。神経腫を切除しますが、正常の指神経も一部切るため、術後に第3趾と第4趾の触った感覚が鈍くなったり、なくなったりします。ただ足趾は手指ほど繊細ではないため、日常生活に支障が出ることはありません。
ご相談者の場合、のみ薬とリハビリ、適切なインソールを使用し、それでも治らない場合は手術をおすすめします。