高齢者で膝が痛い方の場合はほとんどがこの変形性膝関節症で、一般の外来では非常に多くみられます。

変形性膝関節症『半月板損傷』

 骨の表面には軟骨が付いていて関節がスムーズに動くようになっています。この軟骨がすり減ると痛みが出るようになり、それと同時に骨が出てきて関節の変形を生じます。年齢が若い場合、膝を酷使すればする程発症しやすくなります。
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 変形性膝関節症にならないための、あるいはなってしまった場合も、それ以上悪くしないための方法をお話しします。これはどなたにも必要なことですのでぜひ試してみて下さい。
 日常生活でできる事は3つあります。1つはやせる事、あるいは太らないようにする事、2つめは太ももの筋肉を付ける事、3つめは正座をしないことです。具体的に言いますと、すでに太っている場合はカロリー制限を行い、自転車や水泳、ウオーキング等を無理なく長時間行うことで体重を落とします。これは筋トレにもなります。2つめの、太ももの筋トレは体重をかけないで行う事が大事です。足首に錘(おもり)
をつけて仰向けになり、片足ずつ足を上げ10秒止めてから、ゆっくり下ろす方法が良いでしょう。それを左右20回繰り返し、筋肉がついてきたらこれを2セット3セットと増やして行きます。それでも痛みが取れない場合は整形外科を受診した方がいいでしょう。
 治療は、リハビリで温熱療法や低周波などを行いますが、ご自分でなかなか筋トレなどができない方には国家資格を持った理学療法士による運動療法も行っています。またO脚変形の強い場合は、足底板(インソール)を作って矯正を行った方が良いでしょう。痛みの緩和には飲み薬や湿布薬のほかに、膝に軟骨を保護するヒアルロン酸を注射することもあります。グルコサミンはサプリメントのため効果は人によって違いますので、半年飲んで効果がないようなら中止した方が良いと思います。
 現在、このように治療法が確立されていますので、過大な心配は御無用です。