中学で駅伝部に入っていますが、1カ月位前から足の裏が時々針が刺すように痛みます。どうしたらいいか教えて下さい。(中学2年男子)
足底筋膜炎
ランナーの足底部の痛みの原因で一番多いのが足底筋膜炎です。
足底筋膜は足の裏のかかとの骨から始まり、足趾の付け根まで達している硬い膜です。走っている時、足はかかとから地面に着きつま先で蹴り出します。この時に足底筋膜が強く緊張します。足趾がそることによって更に緊張が強まり、これを繰り返すことによって炎症が起こり痛みが出てきます。ハイアーチ(凹足)や扁平足の人に起こり易いと言われています。
症状は運動痛や圧痛(押しての痛み)ですが、痛みの場所はかかとが一番多く次に土踏まずの部分に認められます。朝起きて歩き始めが悪いこともよくあり、温まってくると少し軽くなります。レントゲン検査では足底筋膜内の石灰化やかかとの骨に骨棘(こつきょく)といって骨が出てくることもあります。
治療方法としては足への負担を減らすために運動量を減らし、足底筋膜のストレッチを充分に行います。運動後のアイシングも大切です。湿布をしたりリハビリで低周波をかけたりすると治りが早くなるでしょう。注射をすることもありますが、足底筋膜が断裂することもあるので何回も行うのはよくありません。
土踏まずのアーチをサポートするインソール(足底板)を作るのもいい方法です。市販の物でも構いませんが、アーチサポートだけではかえって足首を捻挫することがあるので注意した方がいいでしょう。当院で作っているインソールはそれを予防するために外側を少し高くしています。それでもよくならない人は手術を行い、足底筋膜を一部切除します。術後に扁平足が強くなりますが痛みは取れます。マラソンの有森裕子選手はオリンピック前にこの手術をしてメダルを取りました。元柏レイソルのカレカ選手もこれに悩まされ、思い通りのプレーができない時期がありました。
走ることは全てのスポーツに共通して大事なことです。スポーツ選手は普段から足のケアや靴には気を使った方がいいと思います。