部活を始め、走り込みが多くなり膝の外側が痛くなりました。屈伸をすると痛みが強くなります。どうしたらいいでしょうか。(中学1年野球部)

● 膝の外側の痛み「腸脛靭帯炎」

imgランニングで起こる膝外側の痛みの原因はいろいろありますが、硬いアスファルトの上など走ると関節の軟骨を痛めます。その他に腸脛靭帯炎というスポーツ障害があります。今回はこの腸脛靭
帯炎についてお話しましょう。
 腸脛靭帯という靭帯が骨盤の外側からスネ(脛骨)まで付いています。膝を曲げると脛骨や大腿骨(太ももの骨)の外側とこすれるために炎症が起こります。長距離ランナーや自転車競技、スキーなどでみられるスポーツ障害です。陸上競技に限らず合宿やオフシーズントレーニングなどで走る距離が急に増えた場合にも起こります。特に下り坂を走ると起こりやすいので注意した方が良いでしょう。
 腸脛靭帯に一致した痛み、圧痛(押しての痛み)があり、痛みの誘発テストで陽性ならば腸脛靭帯炎
と診断します。
 走らない方が良いですが、体幹系(上半身)のトレーニングなどは行っても構いません。低周波など
の物理療法、湿布などの外用薬も効果がありますが、ストレッチや軽い筋トレなどの運動療法も効果があ
ります。O脚の方は腸脛靭帯炎になりやすいので、繰り返し痛みが出る場合はインソール(足底板)を作り足の外側を少し高くすると良いでしょう。