スキーで膝をひねって転倒し内側側副靭帯損傷と診断されました。くわしく教えて下さい。(41歳・男性)

膝の内側側副靱帯損傷

imagesスポーツによる膝の内側側副靭帯損傷は、膝のけがでは最も頻度の高いもので、膝の内側が伸ばされた時に起こります。軽いもの(T度)から重いもの(V度)まであり、内側の靱帯のゆるさによって分けます。T度は痛みだけでゆるさのないもの(捻挫)、U度は少しゆるいもの(部分断裂)、V度はかなりゆるいもの(完全断裂)を示します。
 治療は一般的にはT度とU度は保存的に、V度は手術となっていますが、私はV度の全てが手術とは考えていません。手術になるのは内側側副靭帯損傷だけでなく、関節包や半月板やその他の靭帯損傷を合併した場合です。最近は装具・サポーターが進歩し、手術をしなくても治る事があります。
 T度は痛みが取れるまでサポーターやテーピングで固定し、押しても痛みが無くなったらスポーツに復帰可能です。1週間程度でしょう。
U度は1〜2週間程アイシングや低周波等のリハビリを行い、その後内転筋の筋トレを開始し3週間で軽いジョギングなどの直線的な運動が可能になります。筋トレは続け徐々に運動量を上げて行き、サイドステップやダッシュをした時に痛みや不安感がなければ受傷後平均6週間で復帰可能です。もちろんこの間もテーピング等の固定が必要です。
V度は復帰まで3〜4カ月はかかります。不安定感が強い場合は2週間程ギプス固定をしてその後理学療法を充分に行い、6週間ぐらいでジョギングを開始します。但し完全断裂ですのでしばらくは装具やテーピングも必要です。
2カ月程で練習を開始し状況を見て復帰まで持っていきます。手術になった場合は、合併損傷の種類や程度、その方の年齢、スポーツレベル、種目、復帰後レベルなどを考慮して手術方法やリハビリプランを決めて行く必要があります。
ご相談の方の損傷の程度がわからないので一般的な事しか述べませんでしたが、参考にしていただければと思います。
しっかり治せば心配はありませんのでがんばって下さい。