2年前から、走ると時々膝の痛みがあります。3日前にスクワットをしたら痛みが強くなりました。他の病院で離断性骨軟骨炎と言われました。くわしく教えて下さい。

(中学3年・男子・サッカー部)

膝の離断性骨軟骨炎

●症状が軽くてもご用心!気になったら早期診断を!

繰り返し起こる微小な外傷が原因で、軟骨の下の骨が剥がれ(離断)その骨が徐々に周囲の骨を削り進行して行くことがあります。これを離断性骨軟骨炎と言い、野球での肘(上腕骨小頭)が最も多く、その他の場所としてはこの方のように膝(大腿骨内顆)や足関節(距骨)に見られます。今回は大腿骨離断性骨軟骨炎についてお話ししましょう。

img

過度なスポーツにより起こり徐々に進行します。症状は比較的軽く、運動後や夜間、早朝に痛む事があります。年齢は10〜15歳に多く、レントゲンを撮ればわかる事が多いのですが、たまに見落されるケースもあります。MRI検査を行えば確実に診断できます。
 治療は関節内で離断した骨片が関節内に遊離していなければ、3〜6カ月の安静でほとんどの方が治ります。それでも骨がくっつかなかったり、遊離した場合は手術が必要になります。手術は軟骨を含め骨片を摘出し、取った跡の骨にドリリングと言って0.7mmくらいの小さい穴を開けます。すると骨と軟骨が再生しやすくなります。
 手術後のリハビリは早めに開始します。術後1カ月半は松葉杖を使用しますが、2カ月でジョギング、3カ月で完全復帰となります。