先日スノーボードで転倒し、胸を強くぶつけました。咳やくしゃみをすると、とても痛いです。どうしたらいいでしょうか?           (高校3年男子)

肋骨(ろっこつ)骨折

ここ10年でスノーボードは急速に普及しており、ゲレンデではスキーヤーよりも多くなりました。またスノーボードによる外傷はスキーの約5倍も多いと言われています。
この方の場合、肋骨(=あばら骨)が骨折したと思われます。今回は肋骨(ろっこつ)骨折についてお話します。
 転んだりぶつけたりして胸に強い外力が加わると骨折する事はわかりやすいと思いますが、風邪や花粉症などで咳やくしゃみが長く続いたため骨折する事もあります。
 症状は痛み、圧痛(押しての痛み)、皮下出血がありますが、深呼吸や咳などで強い痛みが出ます。重症例では折れた肋骨が肺に刺さり、気胸や痰に血が混じったり呼吸が苦しくなる事もあります。
 レントゲン写真

レントゲン撮影で診断はつきますが、ケガをした当初はレントゲンではわからず1〜2週間後にわかる事もあります。治療は痛みを取るために低周波や超音波の治療、湿布、飲み薬が有効です。またバンドで胸を固定して呼吸による胸の動きを小さくする事も効果があります。バンドと湿布だけでもかなり痛みは取れます。肺の損傷などがあれば大きな病院での検査や治療をお勧めしますが、スノーボードではそこまでひどい方はあまりいらっしゃいません。大体1カ月程で痛みも落ち着き、骨もくっついてくるでしょう。その間はぶつけないように注意すれば心配はありません。

先日当院に「内科でレントゲンを撮ったら骨折はないと言われた」という患者さんがいらっしゃいましたが、診断の結果、骨折が認められ、バンド固定をしました。このような事がないように、整形外科専門医での診察をお勧めします。