キックする時に足首の外側が痛くなり、病院で腓骨筋腱の脱臼と言われました。くわしく教えて下さい。(17歳男子サッカー部)

腓骨筋腱(ひこつきんけん)の脱臼

 腓骨筋という筋肉があります。これは膝の外側の下から足首の外くるぶしの後を通り、足の甲に付いています。足を外返しする時に使う筋肉で、下半分は腱になっています。比較的まれですが、スポーツによ
ってこの腱が前に脱臼する事があります。今回はこの反復性腓骨筋腱脱臼についてお話しします。

テニスやサッカー、スキーなどで強く踏ん張る動作で、腓骨筋腱が前方に脱臼します。
 脱臼の前に捻挫をしている事もありますが、一度起こると同じ動作で繰り返し出てしまいます。ただしケガによって初めて脱臼した場合は3週間のギプス固定をして、その後8週間のリハビリを行なうと繰り返す事はありませんので、反復性腓骨筋腱脱臼とは分けて考えます。
 反復性腓骨筋腱脱臼の診断は脱臼が再現できればすぐに付きますが、再現できない場合もあります。この時は踏ん張る動作で脱臼音と痛みが起こればまず間違いないと考えられます。予防としてサポーターやテーピングが効果はありますが、完全に脱臼を止める事は出来ないでしょう。
根本的な治療は手術になり、リハビリを含め術後4カ月で復帰できます。痛みのためにプレーに支障が出るようなら、手術をお勧めします。